子どもの片頭痛

子どもの片頭痛は、頭の両側や前頭部が痛むケースが目立ち、吐き気や嘔吐を伴いやすいとされます。多くは4時間以内に自然と治まります。片頭痛は、強い痛みが週1~月1回の頻度で、1回あたり数時間から3日間ほど続きます。寝不足や天候の変化、特定の飲み物を口にするなど何らかのきっかけで、脳の血管が広がったり、脳の中に痛みを招く物質が出たりすると考えられています。発作中は脳が敏感になっており、普段は気にならない光や音の刺激、階段の昇降などの動作で悪化したりします。

検査では診断できず、症状が頼りになります。周りが子どもの訴えをよく聞き、頭痛がある時の様子を注意深く見ておくことが大切です。発作が起きた時に使う薬は、鎮痛薬や、脳の興奮を抑えるトリプタン製剤が有効です。早めに服用し、暗くて静かな場所で安静にします。学校では、無理に帰宅せず保健室で1~2時間休むと軽くなることが多いです。予防は、まず生活リズムを整えることが大切です。痛みの強さや時間などを記録する頭痛ダイアリーも役立ちます。発作の特徴や、治療の効果を把握できます。

(2020年2月9日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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