文部科学省の調査によれば、人とコミュニケーションがうまく取れないなど、発達障害の可能性のある子どもが6.5%に上ることがわかりました。多くの場合が見過され、4割弱の児童生徒が特別な支援を受けていないことが問題になっています。子どもの障害を受け入れることを社会からのドロップアウトと感じ、夫や両親にも相談できず抱え込んでしまう母親も多いとされています。見えない障害であるため、理解や受け入れが困難です。
何らかの障害があるのではないかと気づくのは、幼稚園や小学校などの集団生活に入る際のことが多いとされています。自分勝手で困った人だと誤解される行動や態度の人の中には、発達障害と呼ばれる生まれつきの脳機能障害を患っていることがあります。家族や教育現場、友人など周囲が正しく理解し、受け入れることが何よりも大切です。
(2016年4月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)