子どもの虐待の一時保護の改正

厚生労働省は、子どもの養育や虐待対策の在り方を議論し、虐待を受けた子どもを親と分離する一時保護で、一時保護状による司法審査を設けることとしています。保護措置などに際しては、子どもの意向を把握するよう法令などに規定します。来年の通常国会での児童福祉法改正案提出を目指します。一時保護状は、親権者が保護に同意していない事案などを想定しています。
現行制度では、親権者の同意がなく保護期間が2カ月を超える場合に家庭裁判所の承認が必要となります。一時保護は、これまで児童相談所のみの判断で行えましたが、保護者の反発を受けて対応に迷ったり、一時保護後に虐待の事実が否定されたりするケースがみられます。司法審査の導入には、中立的な裁判官が関与することで、一時保護の妥当性を確保する狙いがあります。

 

(2021年11月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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