国連児童基金(ユニセフ)の報告によれば、わが国の子ども貧因格差は先進41カ国中34位で、悪い方から8番目でした。子どものいる世帯の所得分布をもとに、下から10%の最貧因層と真ん中の標準的な子どもとの所得格差が大きいほど、貧因の深刻度が高いとして算出されています。
上位の北欧諸国では最貧因層の子どもの所得は、標準的な子どもの6割ほどでしたが、日本では最貧因層の子どもは、標準的な子どもの4割に満たないとされています。昔は一億総中流社会などと言われていました。日本は平等社会だと幻想を抱いていると、さほど深刻に思えないのかもしれません。しかし、こうした幻想を早く捨て、貧因と格差に対処することが必要です。
(2016年4月14日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)