厚生労働省によると、18歳未満の子どもの貧困率は、1985年の10.9%から2012年は16.3%と過去最悪に水準になったとのことです。およそ子ども6人に1人が貧困という結果です。貧困率とは、世帯収入から国民一人ひとりの所得を試算して順番に並べた場合に、真ん中の人の所得の半分に届かない人の割合をいいます。実際、18歳未満の子どもの貧困率は過去最悪の水準です。大人ひとりで子育てする世帯の貧困率は2012年で54.6%となり、高い割合が続いています。特に母親が家計を支える母子世帯の場合、全世帯の平均所得の半額以下となる年間243万円しかありません。所得や資産の格差問題は、過去最悪の子どもの貧困率をもたらしています。
生活が苦しく、学用品や給食の費用などの就学援助は、12年度で155万人にも達します。政府は年末までに具体的な支援策をまとめることにしています。学習、生活支援の現場からは、返済がいらないような給付型奨学金の充実や児童扶養手当の増額などを考えなければなりません。現場の実情に見合った対策を打ち出すことが大切です。
(2015年4月12日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)