子どもへの新型コロナウイルスワクチンの接種

米国では、ファイザー社らが新型コロナウイルスワクチンの接種を、現在の12歳以上から5歳以上に引き上げるようFDAに申請しています。日本を含む各国は、これまでワクチンの接種対象を12歳以上としてきました。子どもに対象を広げる検討が活発になってきた背景には、感染者の増加があります。
米小児科学会のデータでは、米国で9月30日までの1週間に感染した子どもは約17万3千人と、全体の約27%を占めています。日本でも、第5波では学校や塾などでクラスターが起きました。ワクチン接種を進める多くの国では、集団免疫の獲得に必要な接種率8割以上に達しておらず、接種率の底上げにつなげるためにも低年齢層の接種が注目されています。
しかし、子どもへの接種の必要性には慎重な意見もあります。そもそも子どもは、新型コロナに感染しても、重症化する例は少ないとされています。国内の感染者情報システムに登録された18歳以下の感染者1万7,512人のうち、8月末までの死亡は0件です。日本小児科学会は、ワクチン接種で基礎疾患のある子どもの重症化を防げると期待されてとしています。

(2021年10月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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