認可保育所に入れない待機児童は、昨年4月時点で約2万1千人に上ります。このうち0~2歳児が約8割を占めています。小規模保育(定員6~19人)は安倍政権が掲げる待機児童解消の切り札の一つであり、この4月から普及を後押しする「子ども・子育て支援新制度」が始まります。
新制度は、小規模保育のほか、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」などを広げることが柱になっています。財源と見込んだ消費税の税率10%への引き上げは先送りされましたが、新年度予算案では、保育の受け皿を増やす補助金や保育士の給料アップ、配置基準改善の補助など想定していた事業をすべてできる4844億円を確保しています。子育てが優先課題とされており、評価できる政策です。待機児童解消の実現は、今後保育人材の確保とその支援がカギとなります。
(2015年2月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)