子育てに関わる休暇制度の変更

政府は、今国会に育児・介護休業法改正案を提出しています。男性が子育てのための休みを取りやすい環境をつくるのが目的です。既存の育児休業制度とは別に、男性用の出生時育児休業(産休)制度を新設します。男女とも仕事と子育てを両立しやすくして、出産による離職を防ぎます。
男性の産休制度は、子どもが生後8週になるまでの期間に最大4週間の休みを取得できるようにします。2回に分けて休むことを認めるため、子どもの出産時と退院時にそれぞれ取ることも可能です。育休は、男女とも2回に分割して取れるように制度変更します。現行制度では子どもが1歳になるまでの間に原則1回しか取れません。男性は産休制度と合わせれば4分割で休むことが可能になります。共働きの夫婦が交互に休みながら仕事を続けることができます。
パートタイマーや契約社員など有期契約の人が育休を取る要件も緩和します。今は1年以上働いていないと取れませんが、これを1年未満でも取得できるようにします。育児中は原則働くことができませんが、本人の希望があれば、子どもの生後8週間以内に限り一定の仕事をすることを認めます。
企業には、育休や産休について、従業員へ取得意向の確認や制度の説明をするよう義務付けます。現行法は努力義務しか定めていませんが、従わない場合は企業名を公表するとしています。2023年4月からは、従業員が1千人を超える企業に育休取得率の公表を求めます。育休を取得する人の勤務先への申し出は、現行の1カ月前から2週間前まで短縮します。

(2021年5月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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