子育て時間の増加

 育児にかける時間が延び続けています。家庭の子どもの数が減っているにもかかわらず、1日に費やす時間は25年間で女性が1.4倍、男性は3.6倍になっています。男性は育児参加が進んだ面があるためですが、女性もさらに増えています。総務省の社会生活基本調査によれば、末子が6歳未満の夫婦の1日の育児時間は、女性は1996年に2時間43分だったのが、最新の調査である2021年には3時間54分になっています。男性では18分が1時間5分に増えています。

 育児時間とは、乳幼児の世話や送迎、子どもの勉強・遊びの相手などの時間を指します。共働きの妻も専業主婦も育児時間が増加傾向にあります。男性も、妻がどちらであっても増えています。1人の子にかける時間が増えています。子どもにかける時間の増加は世界でも指摘されています。

 背景として指摘されるのが、良い親プレッシャーです。米国では2024年に公衆衛生局長官がプレッシャーにさらされる親たちとのリポートを公表しています。米国の親の労働時間と育児時間の増加を示し、多くの親は時間集約型の子育てや、エスカレートする競争の中で、もっともっと子どもに多くのことをしてあげなければという悩みで苦しんでいると分析しています。OECDは、出生率の世界的低下に関連し、良い親であるべきだという要求は強まっていると指摘しています。若い世代では、自分の親のようには子どもにしてやれる気がしないと、子どもを望まない人が増えています。過度の育児は子どもの将来にも負担になります。

(2025年12月28日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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