児童福祉法等改正案を含め、幼児教育・保育を無償化する法案や学童保育の基準を事実上撤廃する法案と合わせ、主な子育て関連法案が今国会で審議されます。児童虐待防止には体罰禁止が明記されていますが、どのような行為が体罰にあたるのかは明確ではありません。
子ども・子育て支援法改正案では、幼児教育・保育を無償化すると定めています。認可保育園の無償化に必要な公費は、年4,656億円ですが、この半分が年収640万円超の家庭の子どもの無償化に使われます。そのため、高所得世帯の優遇につながり、格差を拡大するとの指摘もあります。地方分権一括法案では、共働きやひとり親家庭の小学生が放課後を過ごす学童保育の職員の配置・資格基準を事実上撤廃します。
内閣官房参与になって6年が経過しました。就任当初から主張してきた幼児教育と保育の無償化が実現することには、感慨深いものがあります。無償化よりも待機児童対策が優先すべきであるとか、保育の質の低下を懸念する声もありますが、まず若い世代の子育てに対する経済的負担を減らして、子育てしやすい環境をつくることが大切です。待機児童対策は都市部でのみ問題となっていますが、現在の保育所の増設政策が進行すれば、数年後には解決すると思います。
(2019年3月20日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)