学童保育

 学童保育とは、小学生の放課後の保育を実施することです。小学生の放課後の居場所である学童保育に、3年生で通い続けられなくなる例が出始めています。新1年生の利用が増えて定員がいっぱいになり、すでに通っている上級生は預かれない状況になっています。共働きの親には新たな大きな試練です。習い事で高い月謝を払い別の居場所を作るか、不安だが自宅で留守番をさせなくてはなりません。保育園探しの苦労が終り一息ついたはずの親にとっては、新たな緊急事態です。小1ではなく、新たな小4の壁です。厚生労働省の調査によれば、学童保育を利用できない児童は、159月時点で前年より6996人増の16941人と過去最多になっています。 東京都板橋区は、15年度に放課後対策事業あいキッズを区内の小学校52校全てに整備しました。従来の学童保育を引き継いだ、きらきらタイム(午後5時から7時)に定員はありません。親の就労要件などを満たせば、利用することができます。国の新制度と歩調を合わせ、6年生まで利用可能にしています。在校生の約14%が登録し、平均人数は59.6人で、待機児童はゼロです。全ての児童が使う午後5時までは無料で、その先は受益者負担の考え方から、学童保育時代に一律4800円だった月額利用料を引き下げました。5時から6時まで2700円、7時までなら3900円です。国が打ち出した放課後子ども総合プランを体現する自治体の素晴らしい一例と言えます。

(2016年3月15日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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