東京都は、2025年度に放課後の学童保育に独自の認証制度を導入します。開所時間を午後7時までとするなど条件を満たした学童クラブには、運営費を1クラスあたり年約619万円補助します。受け入れ時間や職員数などを拡充した学童には補助を加算します。

学童保育は、仕事で保護者が自宅にいない小学生を対象に居場所を提供する事業です。新型コロナウイルス禍で広がった在宅勤務から出社回帰の動きがみられる中、都内の2024年度の学童の待機児童は前の年度比6%増3,731人で、4年連続で増えています。
保護者の長時間労働や長距離通勤などに伴い、延長預かりサービスのニーズは高くなっています。社会生活基本調査によれば、都民の通勤・通学時間の平均は92分で全国で2番目に長くなっています。午後7時以降も開所する学童は12%にとどまる半面、午後7時以降の預かりサービスがあった場合の利用意向は29%にのぼっています。
職員の待遇改善は急務です。都内の常勤の放課後児童支援員の基本給は、月15万~20万円が30%、20万~25万円が38%でした。常勤の支援員のうち勤続年数5年未満の割合が53%と過半数を占め、低賃金などを背景とした離職でノウハウが蓄積されないといった課題があります。待遇改善に向け、都は国による支援制度の活用も働きかけます。

(2025年4月9日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)