放課後や夏休みなどに子供たちが利用する放課後児童クラブ(学童保育)と障害児が通う放課後等デイサービス(放課後デイ)で、職員などによるわいせつ行為が増加しています。学童保育は、2019年には、2万5,881か所、利用者数129万9,307人と、いずれも過去最多を更新しています。放課後デイも、施設数は2012年度の2,887か所から、2019年度は4倍以上の1万4,046か所、利用者数も22万6,610人と増加傾向にあります。
小学生が対象の学童保育には、保育士や教員免許などの資格を持った放課後児童支援員ら約16万人が、放課後デイには保育士や実務経験を積むなどした児童指導員ら約7万人が勤務しています。しかし、人材の確保が各施設で課題となっています。資格を持たない職員をアルバイトで雇うところも多くなっています。
わいせつ事件の犯歴を隠して採用され、再び犯行に及ぶ例もあり、学校現場でのわいせつ教員問題に続き、子供たちを預かる施設でも課題となっています。施設別に見ると、わいせつ事案で逮捕されるなどしたのは、学童保育では職員19人、被害を受けた子供は30人です。放課後デイでは、同様に職員25人、被害を受けた子供は39人に上っています。子どもを支援する立場にある職員によるわいせつ行為は許されるものではなく、障害のある子どもであれば尚更です。
(2021年8月22日 読売新聞)
(吉村 やすのり)