家族関係社会支出とし出生率の関係

日本の場合、子育て支援に注ぐ予算が十分とは言えないことが問題視されてきています。OECDのデータによれば、児童手当や育休給付、保育サービスといった日本の家族関係の公的支出は、国内総生産(GDP)比1.79%です。比率ではフランスやスウェーデンの約半分の水準にとどまっています。
支出が多い国は出生率も比較的高くなっています。保育所整備などを通じて母親の負担を減らすほうが、父親への給付金支給より出生率の押し上げ効果が高いうえ、政策に要するコストは約3分の1に抑えられるとされています。
男性が家事育児に参加しやすい環境づくり、そして子育て関連予算の充実と効率的な配分、日本の出生率向上にはこの両輪が欠かせません。

(2021年10月3日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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