富裕層の増加

保有する金融資産が概ね1億円を超える日本の富裕層人口は、世界で2番目に多く、資産額は10年間で7割増えています。仏コンサルティング会社キャップジェミニによれば、投資可能な金融資産を100万ドル(約1億3,000万円)以上持つ富裕層は、2021年時点で365万人います。ドイツの163万人や中国の153万人を引き離し、米国の746万人に次ぐ世界2番目の規模です。
野村総合研究所の試算によれば、負債を除いた純金融資産を1億円以上持つ富裕層の資産所有額は、2019年時点で333兆円と、10年前に比べて7割増えています。富裕層の投資は国際分散が基本であり、日本株が伸び悩む中でも世界株の上昇などを追い風に資産を増やしています。わが国においても、米国と同様貧富の差が激しくなっており、1億総中流と言われた時代が懐かしいものとなっています。

 

(2022年1月26日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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