不登校とは、欠席日数が年30日以上の場合をいいます。しかし、月に数日ずつ休んだり、自宅を長期間出られなかったりと、子どもによっては事情が異なります。そのためきめ細かく支援できるよう、学校に行く日の半分近い90日以上の欠席についても調べています。文部科学省の調査によれば、不登校の小中学生のうち年間90日以上欠席する長期不登校が、6割近くを占めることがわかりました。
年度中に30日以上欠席した不登校の小中学生は、12万6,009人に達します。このうち90日以上欠席したのは、57.4%にあたる7万2,324人で、1日も出席しなかったのは4,402人(3.5%)でした。不登校の原因としては、家庭の状況や友人関係、学業不振などによる不安30.6%や無気力30.2%が多くみられました。いったん不登校になると学校に戻るのはなかなか難しいのが実情です。また、不登校の理由が多様化しており、個別に精査しなければ有効な対策が立てられません。スクールカウンセラーなど、福祉や医療、司法の様々な分野の人と連携しながら、一人ひとりを丁寧に見ていく必要があります。
(2016年10月28日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)