STAP細胞の論文不正問題に関して、理化学研究所は、小保方晴子元研究員に対し、研究費の一部を返還請求する方針を固めました。請求の対象は英科学誌ネイチャ-への論文投稿に伴う費用で、60万円程度だそうです。理研の内部規定によると、研究不正が認定された場合は、不正を起こした当事者に対し、既に使用した研究費の全部、または一部を返還請求するとしています。
小保方氏が投稿した論文は後に撤回されましたが、理研の調査委員会が捏造など4件の不正を認定しています。小保方氏の論文の提出に関しては、理研の研究体制や雇用条件にも問題がありました。その理研が、不正を行ったとされる小保方氏に対して研究費を請求する構図は、罪を犯した人がより重罪を犯した人を罰する様なものです。理研の責任は重いものがあり、これで幕引きは納得できないところがあります。
(吉村 やすのり)