国立がん研究センターは、15歳未満の小児と15~39歳のAYA世代ががんと診断されてからの種類別5年生存率を初めて公表しています。小児に多い白血病では88.0%、脳腫瘍は74.6%です。AYA世代では、患者が多い乳がんが90.0%、子宮頸部・子宮がんが89.0%でした。
小児では、胚細胞腫瘍が96.6%で最も生存率が高く、骨腫瘍が70.5%でもっとも低率でした。AYA世代では、甲状腺がんが99.2%で最も高率でした。
0~14歳の小児がんの5年生存率は、70~90%のものが多く、大人のがんより高い傾向が明らかになりました。子どもは、抗がん剤や放射線治療などが効きやすいことが要因と考えられます。しかし、大人に比べて薬の開発に時間がかかるという課題があります。また、思春期・若年世代のがんは、支援が届きにくいという課題があり、生存率が改善していくかどうか長期的にフォローアップすることが大切です。
(2021年12月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)