近年わが国においては、女性の社会進出、キャリア形成がすすみ、女性の労働力率は増加しているが、欧米諸国に比べるとまだまだ低率である。生殖年齢の適齢期とも考えられる25-34歳の女性の労働力率と出生率との関係を図に示す。
欧米においては、女性の労働力率の高い国ほど出生率も高い。つまり、欧米先進国では出生率が多くても、女性が仕事を継続できる制度設計ができていることを示している。このことは、国が子どもをたくさん産んでも仕事を続けられるような体制を提供することができれば、女性の労働力率を増加させることができることを示している。また、多子家庭になれば経済的にも女性が働かざるを得ない状況になる。 わが国において、少子化の危機を突破するためには、欧米先進国と同様な妊娠・分娩・子育て時の経済的問題を含めた不安要因の解消と、子育てをしながら就労しやすい環境の整備が必要である。
(吉村 やすのり)