警察庁の調査によれば、全国で今年7~8月に起きた山岳遭難は昨年同期比148件増の808件で、遭難者数は181人増の917人に上っています。遭難者のうち死者は昨年と同じ48人、行方不明者は2人増の6人、負傷者は84人増の409人でした。遭難の原因は、転倒や道迷いが目立っています。
山岳遭難の発生件数を山別に見ると、富士山が34件、北アルプス立山が31件、北アルプス穂高連峰が29件の順に多いです。都道府県別では、長野の143件が最多で、富山の90件、山梨の51件が続いています。
遭難者全体の7割は登山届を事前に出していませんでした。不十分な装備で無理な計画を立てる登山者も多く、体力や経験に見合った山を選択し、十分な装備をしたうえで登ることが必要になります。

(2025年9月17日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)