国立精神・神経医療研究センターの調査によれば、若年層を中心に市販薬の過剰摂取(オーバードーズ)が増えています。高校生で過去1年以内に市販薬の乱用経験があるのは、約1.6%と推計されています。
オーバードーズは、決められた薬の用法・用量を守らずに大量に摂取することで、意識を失ったり、肝臓や心臓への障害が起きたり、最悪の場合は死に至る可能性もあります。依存性のある成分が含まれる製品もあり、繰り返すうちに薬物依存の状態になることもあります。オーバードーズの目的は、自傷・自殺目的が7割超で最多でした。自傷の中には、いなくなってしまいたい、自らを罰したい、傷つけたいなどの意見もみられます。
患者の主な薬物を年代別でみると、30代以上は覚醒剤や睡眠薬・抗不安薬が最多なのに対し、10代では市販薬が68.4%、20代でも市販薬が35.3%といずれも最多でした。
(2025年1月9日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)