帯状疱疹の予防

 激しい痛みを伴う帯状疱疹は、体の奥に潜んでいた水ぼうそうウィルスが再活性化して発症します。厚生労働省は、水痘ワクチンの効果・効能に50歳以上の帯状疱疹の予防の追加を承認しました。帯状疱疹は、加齢や過労、ストレスなどで免疫の働きが低下して発症すると考えられています。がんや糖尿病、アトピー、膠原病や妊娠がきっかけになる場合もあります。体の左右どちらか片側に赤い発疹ができて帯状に広がり、水ぶくれになります。発疹ができやすいのは胸、腹部、背中、顔、頭部などです。重症化すると、顔や頭部では視力障害が起こったり、顔面神経マヒを起こして口が閉じられなくなったりすることもあります。
 帯状疱疹は、子どもの頃に感染しやすい水痘ウィルスによって発症します。水ぼうそうが治った後も、ウィルスが体内の神経節に潜伏しています。病原体を攻撃するリンパ球は、一度ウィルスに出合うと形を記憶し、ウィルスが神経節から出ないようコントロールしています。過労や加齢でリンパ球の数が減ると、ウィルスが活性化して神経節から飛び出し、神経に沿って表面に現れます。5~7人に1人が、一生のうちに一度は帯状疱疹を発症するといわれています。ほとんどの人が原因ウィルスに感染しており、誰にでも発症する可能性があります。年齢別にみると、50歳以上の発症が多いとされています。

(2016年5月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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