15~64歳の日本人の平均睡眠時間は、7時間22分です。経済協力開発機構(OECD)の2019年統計によれば、33か国の中で最短、各国平均より1時間5分少ないことがわかりました。厚生労働省の2017年の調査では、睡眠時間が6時間未満の成人は4割に達しています。5人に1人は、睡眠で休養が十分にとれていないと答えています。
慢性的な睡眠不足は、生活習慣病やうつ病と深く関係しています。睡眠時間が5時間以下の人は、7、8時間の人に比べて高血圧になる率が3割高いとする海外の報告があります。糖尿病や肥満、うつ病、さらには死亡リスクも高まるとされています。
多くの日本人が抱える悩みの解決に向け、運動と睡眠の関係が注目されています。運動が睡眠の質の改善につながると期待されるだけでなく、きちんと眠ることでアスリートの成績がアップするとの報告もあります。運動で、①体の中心部の温度が一時的に上昇、②免疫機能やホルモン、神経に働く因子が活性化、③エネルギー消費量が増加、④脳など中枢神経が疲労することなどにより深い眠りにつながる可能性が指摘されています。
(2019年11月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)