幼保無償化における3歳児格差

10月に始まった幼児教育・保育の無償化を巡り、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ認定こども園で、3歳児格差の問題が浮上しています。幼保無償化は、原則、0~2歳が住民税非課税世帯、3歳以上は全世帯が対象ですが、3歳の取り扱いは特殊です。保育園では、3歳児クラス(4月1日時点で3歳以上の子)から保育料が無料、幼稚園では、満3歳(3歳になった日)から教育費が無料になります。
例えば2020年5月生まれの子は、2023年5月に満3歳になりますが、保育園では2歳児クラスに入るため、翌年3月まで保育料がかかります。幼稚園なら2023年5月の途中から教育費が無料になります。問題は、同じ施設に幼稚園機能を使う子と保育園機能を使う子がいるこども園です。幼稚園機能の子も、預かり保育(延長保育制度)を使えば、保育園機能の子のように長時間預けられる園も多いのですが、親の負担には差が出てしまいます。
こども園では、幼稚園機能を使いたいという親が急増しています。保護者に不公平感が広がっています。幼稚園と保育園の制度設計の違いから生じた問題ですが、扱いを保育園側に統一すべきです。

(2019年12月1日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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