むちむちだった赤ちゃんは、離乳期を経て幼児期になると、背も伸び、動きも活発になって次第にスリムな体形になってきます。体脂肪率は、6歳前後最も低くなり、その後成人にかけて再び上昇するのが一般的です。体脂肪率が減少から上昇に転じる時期が早いと、将来肥満になりやすいというデータがあります。5歳で肥満だった子の59%が、12歳でも肥満だったという研究もあります。WHOは、幼児期が肥満などに対して予防効果が期待できる重要な介入時期だとしています。
幼児期に肥満だとその後の肥満につながりやすく、成人した後に糖尿病といった生活習慣病の発症リスクが高くなります。日中の活動が低下するなど幼児期に太りやすくなる生活習慣として、睡眠時間が10時間以下、1日2時間以上テレビやスマホを見る、ジュースや清涼飲料水をよく飲むなどが挙げられます。幼児期から生活習慣の問題を改善することが、肥満予防の第一歩です。
(2020年2月15日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)