待機児童の減少

厚生労働省が公表した待機児童の数は、2018年4月時点で全国1万9,895人でした。認可保育所が増えたほか、企業が社員のために設置し、認可外ながら認可並みの補助を受けられる企業主導型保育所の整備が進み、4年ぶりに減少に転じました。政府は、2020年度末までに待機児童を解消する目標を掲げています。2017年度までの5年間で、53.5万人分の保育の受け皿を設けたほか、2020年度までの3年間でさらに32万人分を整備する計画です。
10月から始まる幼児教育・保育の無償化が、待機児童が再び増加するのではと懸念されています。幼稚園や認可保育所が全額無料になり、0~2歳児は住民税が非課税の低所得世帯が対象です。認可外保育施設も利用料の一部が補助されます。無償化で保育所の利用希望者が大幅に増えることも考えられます。保育サービス大手が、保育所の新設ペースを抑制し始めたことも逆風となっています。新設ペースの減少の原因は保育士不足です。2018年10月のパートタイムを含む常用の有効求人倍率は、全体の1.49倍を大きく上回る2.98倍となっています。

(2019年3月31日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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