待機児童対策

 待機児童の解消に向け、2017年度までに50万人分の受け入れ先を確保する方針が明らかにされました。これまで40万人分としていた目標を10万人分増やし、2017年度末に待機児童ゼロを達成したいとしています。地方自治体や企業などに保育施設の拡充を促し、政権が掲げる希望出生率1.8の実現につなげたいとしています。ただ厚生労働省が9月末に発表した待機児童数は5年ぶりに増加しています。人手不足などを背景に働く女性が増えており、保育所の申込者は、2014年より約13万人膨らんでいます。女性の活躍する場が広がり、保育の受け皿整備が追い付かないという、新たな問題が生まれています。
 保育施設を増やすにも保育所に適した用地が減ってきたのに加え、国や地方の財源確保の問題もあります。企業の力を借りる必要があります。企業内保育所の設置を促すだけでなく、企業に少子化対策の財源を求める仕組み作りなども今後の検討課題です。また地方では、保育士不足の影響で保育所の開設が遅れるケ-スもあります。保育施設の拡充にあたっては、保育士養成も大切です。

(2015年11月7日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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