後期高齢者ドライバーの死亡事故原因

警察庁によれば、2021年に75歳以上のドライバーが起こした死亡事故は、308件に上っています。事故原因としては、ブレーキやアクセルの踏み間違いは10.7%で、ハンドル操作のミスが15.3%、これらを合わせた操作ミスが33.1%でした。これに対し75歳未満の事故では、ブレーキやアクセルの踏み間違いは1.3%、操作ミス全体も11.9%にとどまっており、高齢ドライバーの操作ミスの割合の高さが際立っています。
昨年5月に、高齢ドライバーによる事故防止を目的に、安全運転サポート車(サポカー)に限定した運転免許証が導入されました。しかし警察庁によると、切り替えの申請をした人は導入後7か月でわずか12人に過ぎません。
普及が進まない理由の一つが経済的な負担です。対象のサポカーは過去数年の間に生産された型で、新車購入が必要になります。すでにサポカーを所持していたり、新たに購入したりした人も、普通免許のままで乗ることはできます。限定免許に切り替えた場合、それ以外の車に乗れば違反になってしまいます。新車購入費の補助などのメリットがないと、なかなか広がらないと思われます。
免許返納に応じない高齢者に返納に向けた一歩として、まずは限定免許にしようと提案することも大切です。

(2023年1月29日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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