後発医薬品の供給

 政府が推進している後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及率目標引き上げに対し、後発薬メ-カ-の間で困惑が広がっています。これまでは2017年度末までに60%の目標でしたが、経済財政運営と改革の基本方針においては、後発薬の普及率は現在6割程度で、欧米各国より普及が遅れており、20年度末に普及率が80%にすることを目標にしています。これにより厚生労働省の試算では、医療費が年13000億円削減できるとされています。
 後発薬の場合、新薬の特許切れと同時に10社以上が製造に参入します。後発メ-カ-は規模が小さく、設備投資を増やす余力が乏しい企業がほとんどです。医薬品の増産には、工場の建設から出荷まで、国の品質検査なども含めて3年以上かかります。後発医薬品メ-カ-にとって、投資負担は非常に重いものがあります。80%の目標達成には、後発薬の薬価や先発品での患者自己負担額見直しなど、政府の大胆な施策が必要となります。

(2015年6月25日 讀賣新聞)
(吉村 やすのり)

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