思春期の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の診断基準

わが国における診断基準は性成熟女性のための基準であるため、米国産婦人科学会における思春期女性の基準を示します。

《 診断》

1.男性化徴候(多毛、痤瘡〈にきび〉など)

2.少なくとも2年間の月経不順

3.卵巣体積の増大(>10㎤)と多数の嚢胞の存在

《治療》

1.ピル

2.心理療法と食事療法(体重コントロール)

3.糖尿病薬

思春期のPCOSの治療の基本は月経を正常化させることにあります。ピルを服用して規則正しい月経を起こすことと、肥満がある場合は食事療法が必要となります。また、心理カウンセリングにより精神的サポートが必要となる場合があります。両親に糖尿病がある場合などは血糖検査をし、必要に応じて糖尿病薬を服用します。

思春期からの月経不順は、よくあることなので心配しなくて良く、経過を観るとの考え方はやめるべきで、積極的な治療介入をしてゆく必要があります。それにより将来おこりうる生活習慣病(高血圧、高脂血症、糖尿病など)や子宮体がんを予防することができると思います。

(吉村 やすのり)

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