性の多様性を考える―Ⅱ

年齢ごとの性教育の目標
世界の性教育の指標とされる国際セクシュアリティ教育ガイダンス(UNESCO等)では、学齢期を4つのレベルに分け、それぞれの目標を掲げています。レベル1(5~8歳)では、自分を知ること・自分を大切にすること・自分を大好きになること、レベル2(9~12歳)では、違いを認め合う・人と人は違う・自分と人は違って良い、レベル3(12~15歳)では、選択肢を知る、レベル4(15~18歳)では、自分で選び取るです。
レベル1の自分を大好きになること、自分を大切にするのと同じくらい他人を大切に思うことが大切です。自分を大切だという気持ちがなければ、どんなに選択肢を知っても、自分を守るために自分で掴み取ることにつながりません。自分で自分の人生を納得して掴み取る、そのために必要なのが包括的性教育なのです。
学校では、2023年4月より、生命の安全教育に取り組んでいます。プライベートゾーンは、NOと言われたら、友達や家族と言えども遠慮すること、自分のからだに、誰が、どこに、どのような方法で触れることができるか決める権利を誰もが持っているなど、私のからだは私のものということを学んでいます。学校でこのような勉強をしていることを、是非家庭に共有していただきたいと思います。
2000年頃からインターネットが普及してきました。性についての価値観については、歪んだ情報から先に子どもたちの目に入ってしまいます。素直に生命の尊さや感動を理解できる10歳前までに、科学的な知識を先に与えておくことが、その先歪んだ情報が入ってきた時に判断する基準になります。

(よぼう医学 2024 新年号 №23)
(吉村 やすのり)

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