宝塚大の養護教諭らに対する調査によれば、研修や独学、大学などの養成機関で、性的マイノリティーについて学んだ経験があるほど、関与の度合いが高いことが明らかになりました。養護教諭の4割が性別に違和感のある子と、2割が同性愛の子と直接関わったことがあります。学びの機会が多いほどアンテナが高くなり、児童生徒の小さな変化に気づきやすくなっています。
そうした児童生徒から受けた相談内容を担任や管理職などと共有した人は90.3%、このうち本人の承諾を得たのは54.3%でした。学校側がチームで対応することは大切ですが、相談はカミングアウトとほぼ同義で、性的指向や性自認のアウティングにつながる恐れもあります。情報共有の必要性について丁寧に説明し、誰と共有するのかも含め、本人の意向を確認することが必要になります。
(2024年12月6日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)