性的少数者への対応

LGBTなど性的少数者らへの理解増進法が、通常国会で成立し、施行されました。法律の理念のもと、政府や地方自治体などは理解を深める具体策に取り組みます。性の多様性を認め合う社会への一歩との見方がある一方で、新法が差別や偏見を助長するとの批判も出ています。新法は、性的指向やジェンダーアイデンティティを理由とする不当な差別はあってはならないと明記しました。
罰則などがない理念法であり、実効性を確保できるかどうかは政府や自治体の運用にかかっています。政府や自治体により相談体制の整備、企業・学校などへの取り組みの要請は、努力規定にとどまっています。多様性を認め、あらゆる人が暮らしやすい社会にするという理念に異を唱える人はほとんどいません。政府や地方自治体が運用を通じて、差別・偏見を助長する、トラブルが増えるといった新法への懸念を払拭する必要があります。

同性婚の是非も国会で議論されていますが、自民党では賛否両論があります。伝統的な家族観を重視する議員らが反対しています。日本経済新聞の世論調査によれば、同性婚を法的に認めることに65%が賛成と答え、反対の24%を上回っています。自民党支持層でも賛成が58%を占めています。G7で日本のみが認めていません。同性婚の議論もさることながら、選択的夫婦別姓が認められないのはいかがなものか?

 

(2023年6月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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