成人のぜんそく

 ぜんそくとは、空気が通る気道が急に狭くなり呼吸しにくくなる病気です。国内の患者数は推計1千万人で、成人ぜんそくは4060代で発症することが多いとされています。原因物質が特定できないことが多く、慢性化しやすくなります。通常の治療は、気道の炎症を抑える吸入ステロイド薬で発作を予防します。発作時に気道を広げる薬を併用し、多くは症状を抑えられますが、患者の1割は重症化します。
 電極付きのカテーテルを使い、炎症で狭くなった気道を温めて、症状を和らげる新たな治療法が登場しています。新しい治療法は、カテーテルの先端に電極を取り付けた気管支鏡を喉から入れ、65度に加熱した電極で10秒間温めて平滑筋を薄くし気道を広げます。1時間ほどかけて5070カ所を温めます。痛みはなく、治療後、一時的に発作が起きやすくなりますが、数日で治まります。気管支全体を3回に分けて治療します。昨年4月に公的医療保険が適用され、高額療養費制度を使えば、自己負担は入院費も含めて平均約17万円です。

(2016年10月26日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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