摂食障害―Ⅲ

支援センタ-の設立

 拒食症や過食症など摂食障害の治療体制がようやく始動します。厚生労働省が、地域の治療拠点となる支援センタ-として、宮城、静岡、福岡各県の3つの総合病院を指定することになりました。摂食障害の実態は分かっておらず、以前の厚生省研究班の調査では、患者は23千人前後と推定されています。病院に通院していない人も多く、登校拒否やひきこもりとして扱われており、潜在患者は何倍もいるはずです。
 摂食障害は、治療に長期間を要しますが、根気よく治療することにより治りうる病気です。そのたまには家族を含めた周囲のサポ-トが大切です。早めに気付き治療を開始し、患者に合った治療をすることが重要です。体制には十分とはいえませんが、専門医を育てるためにも、少しでも早く地域の治療拠点を整備することが必要です。

(2015年9月8日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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