結婚の意思
未婚率の増加については、若い世代が現在の婚姻制度を嫌がり、事実婚などの柔軟な家族の形態を好むようになったとの声もあります。しかし、結婚の意思があると答えた割合は、2021年時点で男性81.4%、女性84.3%であり、1987年の調査から高い割合を維持し続けています。娯楽が多様化してもなお多くの男女に結婚の意思があるにもかかわらず、未婚率が上昇しています。
未婚率の上昇には、社会経済的格差が大きく影響しています。男性に関して、定職に就いている人ほど、結婚率が高い傾向にあります。この傾向は年収においても同様にみられ、既婚男性の年収が最も高く、独身で交際相手がおらず、かつ異性との交際にも興味がない人が、最も年収が低いことが分かっています。ある程度の年収があり恋愛や結婚に積極的な人と、年収が低く雇用が不安定で恋愛や結婚をしたくてもできない人という二極化が起きているのです。
(Wedge August 2023)
(吉村 やすのり)