社会経済的格差
男性においては、高収入・高学歴であるほど、子どもを持っているということが分かります。子どもを持たない人の割合は、1943~1947年生まれと1971~1975年生まれを比較した場合、男性で14.3%から39.9%に、女性で11.6%から27.6%に増加しています。男性はいずれの年代でも収入が高いほど、子どもを持たない人の割合が少ないということが分かります。子どもを持たない人の割合はどちらの層でも増加傾向にありますが、その増え幅は収入が低い層で圧倒的に大きくなっています。学歴についても同様の傾向が見られます。
女性の社会進出・高学歴化が少子化の要因とされています。1970年以前に生まれた女性では、大卒者の方が、それ以外の人に比べて子どもを持つ割合や合計特殊出生率が低いのですが、1971年以降の女性では、大卒とそれ以外での差異は見られないため、キャリアを望む女性が増えたことが必ずしも少子化の要因とは思えません。
(Wedge August 2023)
(吉村 やすのり)