改正健康増進法施行後5年

 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が施行されて5年が経過しました。周囲のたばこの煙を吸うことによる健康被害を防ぐため、学校や病院、行政機関を敷地内禁煙に、飲食店などは原則屋内禁煙として2020年4月に全面施行されました。禁煙の飲食店は、全国で約6割にとどまることが厚生労働省研究班の調査で分かりました。

 既存店では59.4%、全店禁煙化されているはずの新規店でも80.3%にとどまっています。居酒屋・ダイニングバーでは新規店でも禁煙店が半数しかなく割合が低くなっています。喫煙目的施設と掲げながらも、本来禁止されている主食の提供が推測される店もあり、法令が順守されていない可能性が高くなっています。望まない受動喫煙を防ぐという共通の理解が広まったことは法制化の一番の効果ですが、例外規定が多く、特に喫煙目的施設での違法が横行し、受動喫煙が防止されていない実態があります。現状で限定的な規制にとどまる加熱式たばこについても、周囲の人が有害物質を吸い込む研究結果が示されているとして、国際基準の規制を実現するべきです。

(2025年3月17日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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