改正高齢者雇用安定法とは、正式には高齢者等の雇用の安定等に関する法律をいいます。2013年に施行され、企業は希望者全員を65歳まで雇用することが義務付けられています。具体的な方法としては、①定年制の廃止、②定年の引き上げ、③嘱託や契約社員として再雇用する継続雇用制度の3つの選択肢があります。
2017年の厚生労働省調査によると、企業の対応策で最も多いのは人件費を抑制できる再雇用などの継続雇用制度で全体の80.3%を占めています。一方、正社員の立場を継続する定年の引き上げを導入する企業は、17.1%にとどまっています。メリットとしては、シニアの経験やノウハウを活用でき、技能の継承や継続がスムーズに行われ、若手の指導や育成に役立ちます。しかし、シニアポストの不足や世代交代が停滞するなどの課題があげられます。また、総人件費の増加も懸念材料です。
(2018年3月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)