日本政策投資銀行と日本公庫、商工組合中央金庫の政府系3機関を合わせたコロナ関連の資金繰り支援は、3月末までに累計約18兆円にのぼっています。日本政策投資銀行は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、営業の自粛や時短が長引く飲食・宿泊業界に特化した資本支援を始めています。すでに借り入れが膨らんでいる企業に、財務負担を大幅に軽くした形で資本を入れることにしています。規模や業績を問わず企業側の負担は一律で、民間協調の原則も棚上げにしています。
中堅企業と飲食・宿泊業などの大企業を対象に、当初3年間の金利は一律で年1%です。両業界に対する優先株出資のファンドは、企業側の負担となる配当率を年4%に設定しています。いずれも元本に対し、年5~10%程度の負担が生じるのが一般的で、今回の支援策は破格です。背景には飲食・宿泊業の苦境があります。
(2021年4月14日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)