教員採用倍率の低下

 文部科学省の公表によれば、2024年度の公立学校教員採用試験の採用倍率は、小中高校の全てで過去最低でした。全国の採用倍率は、校種別では小学校2.2倍(前年度2.3倍)、中学4.0倍(4.3倍)、高校4.3倍(4.9倍)でした。小学校は5年連続で過去最低を更新し、中学は2年連続、高校は3年連続で前年度より下がっています。特別支援学校などを含む全体では、3.2倍(3.4倍)でした。

 各地でベテランの大量退職期を迎え、採用者数は近年、高い水準が続いています。採用者数の高止まり傾向に対し、受験者数が減り続けていることが背景にあります。教員のなり手不足が深刻になっています。

 長く指摘されているのが、厳しい労働環境が敬遠される原因となっています。文部科学省も対策は講じています。小学5,6年に教科担任制を広げたり、部活動の指導を学校外に委ねたりして負担軽減を図っています。また、教員志願者を早く確保しようと、各地の教委に採用試験の前倒し実施を要請しています。質の高い教員の確保に倍率の向上は必要であり、教職の魅力向上も進めることが大切です。

(2024年12月27日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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