生後一週間の幼若マウスの脾臓から取り出したリンパ球を、弱酸性の液に25分程度浸すと、どんな細胞にもなれる万能細胞になることを理研の小保方ユニットリーダーが発見し、この細胞をSTAP細胞と名づけた。
これまでの万能細胞と呼ばれたES細胞、iPS細胞に次ぐ、第3の万能細胞と注目される。iPS細胞のように複数の遺伝子を導入することなく、さまざまな細胞のみならず、胎盤にも分化することができる点で素晴らしい研究成果である。しかし、このSTAP細胞は幼若マウスを使用している点、ヒトでも樹立可能であるのか、再現性はあるのか、細胞の遺伝情報など検討すべき課題は多い。
(2014年1月30日)
(吉村 やすのり)