新型コロナの第2波

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための外出自粛などが緩和されるなか、再拡大が懸念されています。東京大学は外出自粛などを解除すると、1カ月程度で感染者が急増すると指摘しています。米アイオワ大学は行動制限を一定期間続けなければ、感染の第2波が起こると警告しています。経済活動を回復させながら感染の再拡大を防ぐには、引き続き一定の行動自粛が求められます。
東京大学の試算によれば、人口10万人の都市で、感染者1人が何人に感染を広げるかを示す実効再生産数を2.5人と仮定した時、感染者が50人に達した時に外出制限などを実施すると、感染者数はいったん減少します。しかし、制限の開始から60日後に解除すると、30日後には感染者が50人まで戻るとしています。1,000万人の都市でも、自粛解除から30日後には感染者数が元に戻る結果となります。
学校閉鎖や外出自粛などの対策が成功しても、集団免疫を獲得できず、対策を緩めた際に、大きな第2波が来る恐れがあります。実際に既に都市封鎖(ロックダウン)などを解除した国では、感染者が再び増加しているところがあります。感染の再拡大を防ぐには、行動自粛を継続する必要があります。緊急事態宣言が解除されても、人と接触する機会を減らすなど感染確率を通常に比べて6~7割に抑えれば、感染者は減らせると考えられています。

(2020年5月20日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

カテゴリー: what's new   パーマリンク

コメントは受け付けていません。