新型コロナウイルスの抗原検査

厚生労働省は、新型コロナウイルスの抗原検査を承認しました。鼻の奥などに綿棒を入れて体液を採り、ウイルスに特有のたんぱく質である抗原があるかどうか調べる検査です。PCRはウイルスの遺伝子を専用の装置で増やして検出しますが、検査には数時間かかります。抗原検査は手のひらサイズのキットを使って約30分でわかり、費用も約3分の1です。抗原検査で陽性とわかれば、手間がかかるPCRを必要はなくなり、医療現場の負担を減らせます。院内感染などが起きた時、いち早く感染者を見つけて感染の拡大を防ぐことにも役立ちます。
しかし、ウイルスの量が多くないと抗原を検出できず、感染を見逃す恐れがあります。抗原検査で陰性と出ても、正しく確認するには、ウイルスの量が少なくても検出できるPCRに頼ることになってしまいます。検査キットもまだ十分なだけ作られていないため、インフルのように街の診療所で手軽に受けられるようになるには、まだ時間がかかります。

(2020年5月21日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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