新型コロナウイルスの4種目ワクチンの承認

米ノババックス社の新型コロナウイルスワクチンが、承認されることになります。このワクチンは、組み換えたんぱくワクチンというタイプです。新型コロナウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質だけを合成したものをワクチンに使います。免疫の仕組みを刺激するためのアジュバントと呼ばれる物質も含まれます。塩野義製薬が開発中の新型コロナワクチンも同じタイプです。
これまで国内では、米ファイザー製や米モデルナ製のmRNAワクチンか、英アストラゼネカ製のウイルスベクターワクチンが使われてきました。mRNAワクチンは新型コロナで初めて実用化されましたが、組み換えたんぱくワクチンは、別の病気の予防ですでに使われてきています。国内では、帯状疱疹ワクチンや子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンなどが承認されています。米国では、季節性インフルエンザワクチンにも使われています。
治験では、mRNAワクチンと遜色ない高い効果がみられています。既存のワクチンが使えなかった人にとっては、選択肢が増えることになります。国内生産が可能なため、安定供給にも期待がかかります。今後新たな変異株が出現した時に、ワクチンの種類によって効果が異なってくる可能性はあるとして、色々なワクチンをそれぞれ必要な十分な量を確保しておくことは、危機管理の意味でも必要です。

(2022年4月19日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)

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