新型コロナウイルスのPCR検査

新型コロナウイルスに感染しているかどうかを判断するPCR検査の体制が感染者の拡大傾向に追いつけていない状況にあります。4月中旬以降、PCR検査の実施数は、全国で1日あたり8,000件前後が続いています。うち民間検査会社の受託は2,000件ほどで、残りは国立感染症研究所や地方衛生研究所などの公的機関です。
現状では、熱が出て気分が悪いといった程度ではすぐに検査を受けられません。そのため、民間が主に担ってきた軽症者の検体検査が増えにくい問題もあります。院内感染予防の視点からは、無症状であっても公費でPCR検査を受けられるようにすべきとの声も上がっています。
PCR検査は、発熱や風邪の症状が続くなど医師が必要と判断した場合、医療機関などで鼻や喉の奥の粘膜を採取します。検査機関で検体の遺伝子を試薬で増幅し、新型コロナに特有の塩基配列が増えるかどうかで陽性か陰性かを判定します。判定は国立感染症研究所や地方衛生研究所、民間検査機関、大学・医療機関などが行います。厚生労働省によると、4月15日時点で1日1万3千件の検査が可能だとしており、政府はこれを2万件にまで増やす方針を示しています。

(2020年4月24日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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