新型コロナウイルス感染症は、肺炎になり、急激に悪化する症例があります。重症化する人や死亡する人の割合は、高齢者ほど高い傾向にあります。厚生労働省の調査によれば、6~8月に診断された人のうち、重症化した割合は、全年齢平均で1.6%です。80代では14.5%に達します。陽性者に占める亡くなった人の割合を示す致死率は、11月25日時点の全年齢の平均は1.4%です。年代別では50代が0.4%、60代が1.7%、70代が5.7%、80代以上では14.0%です。
加齢によって免疫の機能や、肺や肺を支える心臓、腎臓などの臓器の機能が低下し、肺炎が広がりやすく治りにくいとされています。また、糖尿病や高血圧などの持病がある人、低栄養や心身の活力が低下するフレイルの人も、新型コロナに感染すると重症化しやすい傾向がみられます。症状に気づきにくいことも、高齢者が重症化しやすい一因とされています。マスクの装着や手洗い、感染リスクが高い場所に行かないなど注意をしたうえで、体も動かすことが必要です。感染予防をしながら散歩やスクワットをしてフレイルを防ぐことが大切です。
(2020年12月4日 朝日新聞)
(吉村 やすのり)