新型コロナウイルスの感染者集団が認識された施設の内訳をみると、医療機関が41か所と最も多く、老人ホームなどの福祉施設が27か所に達しています。医療・福祉施設だけで全体の約半分を占めています。これらの施設には病気を抱えていたり、高齢で体調を崩していたりする人たちが集まるため感染リスクが高く、感染者が発生すると連鎖して感染が拡大しやすい傾向があります。関係する人数は、全体の65%にあたる計1,759人に上っています。
多くの人に感染が広がっている集団をいち早く見つけ、感染者に接触した人を追跡して行動を制限することは大切です。これにより、感染の連鎖を断つことが可能になります。東京都では、大規模な集団感染が複数確認されていますが、3,000人以上いる累計感染者のうち、感染者集団に含まれる人は約500人にとどまっており、感染経路不明の人が多くなっています。そのため、クラスター発生の制御のみならず、市中感染に対する対策がより重要になってきています。
(2020年4月24日 読売新聞)
(吉村 やすのり)