新型コロナワクチンの開発

新型コロナウイルスワクチンは、感染拡大初期から製薬大手が開発に着手してきました。米ファイザーが独ビオンテックと共同で開発したワクチンや米モデルナのワクチンは、2020年12月にそれぞれ米国で緊急使用許可を取得しました。2021年2月以降、日本でも特例承認を受けて接種が始まっています。
ファイザーとモデルナのワクチンは、ウイルス関連の遺伝情報を使うメッセンジャーRNA(mRNA)と呼ぶ新タイプです。英アストラゼネカや米ジョンソン・エンド・ジョンソンは、無害なウイルスを生かしたウイルスベクター型を開発しました。
現在、感染力をなくしたウイルスを使う不活化型、遺伝子組み換えで作ったウイルスの一部を活用する組み替えたんぱく型、ウイルスに似た構造を生かしたVLP型など多様なタイプの開発が進んでいます。田辺三菱製薬は、世界初となる植物由来の新型コロナワクチンを日本に投入する計画を固めています。10月に国内で臨床試験を始め、2022年3月にも国に承認申請する予定です。低コストで量産しやすく、変異ウイルスにも対応しやすいとされています。
その他、国内勢では、塩野義製薬が開発を進めています。この他、第一三共は2022年中、明治ホールディングス傘下のKMバイオロジクスは、2023年3月までに国内での臨床試験を経て実用化を目指しています。

(2021年9月30日 日本経済新聞)
(吉村 やすのり)

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