新型コロナ検査

新型コロナウイルス感染症には、いくつかの検査方法があります。代表的なのがPCR検査、抗原検査、抗体検査の3つです。PCR検査は新型コロナウイルスの遺伝子、抗原検査はウイルスのたんぱく質(抗原)の一部を検出するものです。この2つの検査は、体にいる新型コロナウイルスを見つけようとしている点で共通しています。抗体検査は、新型コロナウイルスに感染した証拠となる体が作る抗体を検出するものです。
医師が新型コロナウイルスの感染を疑った場合、抗原検査があれば受けます。陽性の場合、新型コロナウイルスの感染症と診断が確定します。この場合、PCR検査は必要ありません。今は発症後2~9日目の抗原検査で陰性の場合、PCR検査なしで感染なしと診断されます。医療機関に抗原検査キットがない場合、無症状の場合などは、PCR検査が行われます。陽性なら新型コロナウイルス感染症、陰性なら感染なしと診断されます。
それぞれの検査には、長所と短所があります。PCR検査は微量のウイルスも検出できますが、精度が5~7割であり、感染しても陰性と判定されることがあります。抗原検査は30分で判定ができますが、PCR検査より精度が劣ります。発症直後や発症から10日以上経過するなど、ウイルス量が少ないと感度が下がってしまいます。抗体検査の場合、免疫がウイルスに対して作る抗体に多くの種類があり、メーカーによって精度に差が出ることがあります。

 

(2020年6月21日 読売新聞)
(吉村 やすのり)

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